粉体塗装は有機溶剤を使わず、固形の粉体(パウダー)を使うためリユースできる環境に優しい塗料です。今まではVOC対策を中心に国内においてもこの10年で一般的な塗料として普及してきました。
最近ではその機能性の高さや厚い被膜が重ね塗りすることなくできるという実利の面も注目され、塗料メーカー様の研究が進み、様々な塗料の開発が進んでいます。
例えば、厚膜塗装可能・耐食性・耐摩耗性・耐薬品性・導電性・耐水性などその可能性は幅広く、溶剤塗料とは違い塗料だけが材料なので、溶剤の影響をうけずその性能を余すことなく発揮しています。
提案書例
イノバックス導電粉体塗料の優位性について
粉体塗装について
粉体塗料による塗装方法は「静電塗装法」と「流動浸漬塗装法」の2種類があり、主力は「静電塗装法」です。
この方法はスプレーガンで塗料を帯電させ、静電気の力で製品に塗布する方法、塗布後は「焼付け乾燥炉」で加熱し、塗膜を形成します。
特徴
高品質・高機能 | 粉体塗装による完成塗膜は、塗料に使用される高分子樹脂の特性により高膜厚で優れた塗膜強度、化学薬品性、耐食性、耐候性を保持しています。 |
---|---|
高い柔軟性 | 粉体塗料は1回の塗装で30~150ミクロンの膜厚調整が可能。25~35ミクロンの薄膜塗装も設計上可能です。 |
高い経済性 | 塗膜強度・防錆機能が高く、回収された粉末は再利用できるためランニングコストが抑えられます。粘度調整は不要、粉体塗料のみを投入すればよいので、塗装の自動化が容易です。 |
環境対応 | VOCを全く含まないため、シンナー等の火災、働く人たちの呼気中毒等の危険がありません。製品自体のVOC対策もより簡単にすすめられます。 |
粉体塗料の種類
塗料 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
エポキシ | 一次物性、塗膜硬度、耐水性、耐食(防食)性、耐熱性、電気絶縁性、塗装作業性に優れいている。使用目的の中心が防食性を中心として耐久性にあることから厚塗りを要求されることが多い | 屋内、防食用 家電製品、自動車部品、計器、水道関連資材、鋼構造物、電気部品、重電機器、重防蝕資材など多分野 |
エポキシ-ポリエステル | ハイブリット型。 塗膜外観、薄膜性、一次物性、耐熱性、補修塗装性、経済性に優れている。 塗膜硬度、耐薬品性などはエポキシに劣るが、耐食性、耐候性、塗装作業性は、エポキシと同等の性能を持つ。薄膜仕上げのケースが多い。 |
屋内、防食用 家庭用品、事務機、自動車部品、電気部品、各種金具など屋内製品全般 |
ポリエステル | 外見、一次物性、耐薬品性、耐食性、耐候性、塗膜硬度に優れいており、各種粉体塗料の中で、性能上大きな欠点を持たないバランスのとれた塗料。 | 一般、屋内、屋外用 家庭用品、建材、外柵、建設機械、農機具、自動車部品、道路資材、屋外ポール、鋼製家具、重電機器、家庭用品など |
アクリル | 耐候性、塗膜硬度、塗膜の鮮鋭性、耐汚染性に優れいている。反面、物性、耐食性、焼付け時の臭気、経済性の面でやや難がある。さらに塗装作業時における多種粉体塗料のわずかな混合により、相手粉体塗料の塗膜ハジキ、発泡など以上を発生させてしまう大きな欠点を有している。 | 屋外美飾用(耐候性重視) 建材、道路資材、家電製品、自動車部品、アルミ製外柵、アルミホイールなど |
アクリル-ポリエステル | ハイブリット型。 ポリエステルの特長とアクリルの特長を生かした、中間型粉体塗料として市場導入されている。揮発分の低減、臭気の軽減、塗装作業性に優れている。 |
屋外美飾用 家電製品、厨房製品、建材、道路資材など |
フッ素 | 超耐候性、耐光性、耐薬品性に極めて強い性質を持ったいるため、近年特に建築外装用塗料として、超高層から中高層建築の外装に広く採用されている。 | 高耐候性 建築外装、家電製品、厨房製品、建材など |